滝壺の巨大な大山椒魚

2008年07月17日



長良川の上流に「夫婦滝(みょうとだき)」という滝がある。
ひるがの高原に入る直前、分水嶺の2・3km手前の道路を少し入った所にある。
大小2本の滝が流れているので「夫婦滝」なのだろう。
私がその大きな悠々たる生き物を見たのは、雪解け水が滝に流れ込み、夫婦の大小の2本の滝が生き生きと流れ落ちるころだ。
水量は、溢れんばかりにゴウゴウと流れ落ち、滝壺には水が満々と満ち溢れていた。
滝の回りの木々の何色もの緑が、目と体と心に染みこんで心地良いことこの上ない。
滝壺は直径20メートルほどの円形状になっていて、深さは5メートル以上あるようにも見えた。
しかし、その深さも感じさせないくらいに水は澄み、手を水面に突っ込めば、直ぐにでも底に触れるような錯覚を覚えるほどの清流だ。
といっても、まったくの無色透明ではなく、若干の緑色を伴なった美しい滝壺であった。
滝から流れ落ちる清流が周りの岩岩に当たり、生物に生気を与えるマイナスイオンを惜しげもなく発散している。
私は大きく息を吸い込んで、大自然の気を味わっていた。
まさに「大気」であると堂々と宣言しても偽りの無い、生命力に溢れた「気」であった。

滝壺には、イワナであろうかヤマメであろうか、産まれて間もない大きさの魚が楽しそうに泳いでいる。
小石をポンッとその水面に投げると、それらの小魚が餌と勘違いして群がってくるのが面白い。
水面の振動に反応しているのであろうか、その魚たちの素早さといったらない!
1個2個と小石を投げる・・・すると、魚の群れがササッと水面の波紋の中心に寄ってくる。
その様はまるで、磁石に吸い付けられる砂鉄の様でもあった。

何個も飽きずに小石を投げていると、滝壺の底で、何か茶色いものが動く気配を感じた。
それはのそりのそりと水中をユックリと這う様に現れた。
大山椒魚である。
水の深みが邪魔をして、その大きさは定かではないが、2メートルほどもあるように見えた。
その大山椒魚は大自然の賢者のごとく悠々と水の底を歩き、その滝全体を眺めながら周りの環境を制御しているかのようだ。
水の賢者のごときその大山椒魚は、私の存在を気にすることもなく、滝壺の端から端へユックリと歩いていった。
その堂々たる仕草は、大自然の精霊であるかのように思える。

大山椒魚は、1年に1cm成長するとも言われている。
2メートルほどの大山椒魚ならば、200年もの長きを生き抜いてきた生命だ。
畏敬の念を感じざるを得ない。
わたしは、その悠々たる大山椒魚の動作を、強い感動を覚えながら眺めていたのであった。



Posted by さかいほういち at 22:31│Comments(2)夏物語
この記事へのコメント
水族館でも見られますが
水族館と大山椒魚は、あまりにも不釣り合いだなって感じます。

何百年先も大山椒魚が同じように住める環境であって欲しいです。
Posted by ヘロヘロ店長 at 2008年07月18日 13:37
大山椒魚はやはり大自然の中で見たいものです。
Posted by さかいほういち at 2008年07月18日 18:08
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